働き方改革目的は生産性向上ではなく「3Kへの対応」という事

働き方改革は「3K」への対応の為

生産性が悪化しても、なぜ働き方改革を進めるのか。それは、テレワーク・時短等の導入ができなければ優秀な人材がどんどん流出する「3K」問題が生じるからです。

優秀な人材が流出する「3K」問題とは?

「3K」とは私の命名で「介護、子育て、家事」の頭文字をとっています。「3K」問題とは以下を指します

  • 本人は職場や仕事内容にとても満足しており、
  • 報酬も良く、十分暮らせるほどであり、
  • 同僚や上司の評価もとても高く、重宝されていて、
  • 職場も近く、住環境もとても良く、
  • 本人も定年まで勤めたいと思っているし、
  • 会社も定年まで居てもらいたいと思っているのに、
  • 本人の意思にかかわらず残業/休日出勤/転勤(単身赴任)/出張が出来ず
  • そういう事情を抱える30〜40代の男女労働者が大量に離職してしまう事

つまり、超絶ホワイトな労働環境を用意し、労働者も企業も本人はメッチャ満足しているのに退職せざるを得ない状況に追い込まれてしまうことです。

ポイントは誰も退職を望んでいない事です。退職というと今までは上司や同僚、会社、本人のいずれかが「辞めたい、辞めさせたい」という積極的な意思がありました。しかし「3K」は違います。だ~れも退職を望んでいないのです。

でも、以下2つの理由から、労働者が会社の命令である残業、出社、休日出勤、転勤、単身赴任、出張が出来ずに居心地が悪くなったりして退職するしかなくなるのです。

  1. 今まで「3K」を担ってきた女性や高齢者が社会進出して、担い手でなくなる
  2. 単純に30~40代の労働者が減る

理由①:3Kの担い手減少

今まで「3K」を担ってきた高齢者や女性が、どんどん長く、どんどん働く様になっています。政府も女性管理職の数値目標や再雇用制度を義務化するなど、このベクトルは年々強化されていますね。

年金支給開始年齢、一律引き上げ「考えず」 70歳超の選択制を推進

第1節 働く女性の活躍の現状と課題

今まで彼らが「3K」を担えたのは手が空いていたからですが、彼らも長く働くとなればそれは難しくなります。いままでの昭和モデルでの家族では「3K」はこのように担ってきました。

  • 妻は専業主婦が多い
  • 祖父母は55歳で年金生活
  • 兄弟が多い
  • 結婚率が高い
  • 子どもが多い
  • 二世帯住宅が多い

だから →

  • 専業主婦が子育て・家事・介護を担う
  • 祖父母も子育て・家事・介護を担う
  • 兄弟が多いので介護を担う確率は低い
  • 兄弟が多いので介護しても両親だけ
  • 夫は子育て・家事・育児を担う必要がない
    =フルタイム長時間労働出来るし、単身赴任も思いのまま
  • 年長の子どもが育児をする事も出来る

30代の専業主婦とフルタイムの夫が3~4人の子どもを作り、二世帯住宅で暮らす。基本的に夫の収入が全てなので亭主関白などになるのも頷けますね。

でも現在この昭和モデルはとっくに崩れてますね。こんなに子ども居ませんし、専業主婦なんて特権階級の遺産でしょう。今はフルタイム労働すら求められています。55歳なんて今はまだまだ若いと言われかねない年齢で、お年寄り扱いしたら怒られるかもしれません。65歳まで働くことが半ば当たり前の世の中になっています。

  • 妻はフルタイムが増える
  • 祖父母は70歳まで再雇用で働く
  • 兄弟が少ない
  • 結婚率が低い
  • 子どもが少ない
  • 祖父母と別居(家事が分散)

だから →

  • 妻が子育て・家事・介護の全て担うの無理
  • 祖父母も子育て・家事・介護を全て担うの無理
  • 兄弟が少ないので介護を担う確率が高い。一人っ子だと100%
  • 兄弟が少ないので配偶者の親まで要介護になる事もある
  • 年長の子どもが育児をする事も出来る

さすがにこの状況でフルタイム夫が何もしないというわけにはいかない

出生率1.4人以下の現状を考えるとこれは極端な例ではないです。図にしてて思ったんですが、正直メッチャきつくないですか?? 子どもや祖父母も担い手としてカウントしなければ到底回していけないレベルですが、祖父母が突然要介護になってしまい分担力が0になる事は十分あり得ます。なので、長時間労働を続けていた夫妻が突然残業できなくなった、なんていう状況が頻発する事が予想されます。

さらに悪い事に、この流れはしばらく同じ方向で進みます。仮にこの一族が、10~15年を取って令和中期になるとどうなるか。「3K」はより深刻な状況になります。

  • 長寿の祖父母が要介護者化
  • 子どもが成長
  • 財源不足で社会福祉や公的支援が先細り。ケアや老人ホームは今以上に不足かつ高額に
  • キャリアを積むと共に年収は増えるが、社会保険料の増大と増税で手取りは微増に留まるはず
  • 日本全体でみると平均年収は微増。しかし社会保険料の増大と増税で給与所得者の手取りは大幅減。

だから →

  • 夫妻ともに世話が必要なものが増加
    長時間労働は実質NG。週休3日や時短に脚光
  • 夫妻ともに10年前より高い地位
    長時間働けない部長~課長の増加
  • 経済的理由から要介護両親と同居する世帯増加。両親の家は売る。
    故郷に空き家続出、地価下落
  • 親の介護の為、夫妻は移動不可
    転勤不可・長期出張不可・単身赴任不可・地元志向・在宅勤務
  • 幼い子どもが家事に参加
    =子どもでも出来る家事に価値増
    子どもと過ごせるが新たな価値へ。時短勤務・在宅勤務に脚光

夫妻は共に40代後半~50代前半です。フルタイム労働者であればまさにキャリアの絶頂期で、多忙を極める瞬間に、ほぼ両親が要介護になってます。そんな時に「地方の支店長してみないか?!」など打診されても飲める訳がありません。「3か月間、地方支店のヘルプお願い」と頼まれたとしても介護などのやりくりで、配偶者と相当もめると思います。

さて・・・

「そうはいっても、ルンバとか、支援制度とか、サービスとかで何とかなるのでは?」という意見もあります。事実、女性や高齢者の社会進出著しい国もあるわけで、何とかしている国もあります。

しかし、私は日本の現状を突き進むとなると「3K」は何ともならないと考えます。つまり、働き盛りの夫妻が担う運命は変わらないという事です。

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