現職中にコッソリ転職活動をしていた自身の経験、および、過去コッソリ転職活動をしていった同僚の行動を踏まえて、コッソリ転職活動をしている者の特徴を説明します。
最初に説明するものほど、コッソリ転職の可能性が高まります。
先にまとめると以下の通りです。
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部下が転職活動をしている時の特徴
有給休暇の取得が増える
最近腰痛が酷くて半休取って通院する部下。病院は17時までしか空いて居ないらしい。
もしかしたら、15時から最終面接に行っているかもしれません。
この傾向はマストです。転職活動をしていると有給休暇は必ず増えます。
一次面接が入るのは19時など就業時間後であったとしても、最終面接は日中である事がほとんどです。そこは有給休暇を使うか、口実をつけて外出をするしかありません。
しかし、有給を取るにしても「転職活動をするため」などとは口が裂けても言ってきませんので
- 通院する
- 親の見舞い
- 学校で勉強する
という口実をかたって来ます。なので「どうも最近有給休暇が多いなー」と思った場合は、転職活動をしているのではないか?を疑ったほうがいいかもしれません。
ただし、後の部分にも言えることですが、部下を疑う素振りを見せてはいけません。なぜなら本当に親の見舞いで有給休暇を取っている場合
「君は転職活動しているの?」と疑うことは「あなたの物言いは信用してませんし、転職するような人間だと思っています」というメッセージを部下に伝えることになるからです。
これは大きく部下のモチベーションを下げかねません。
定時ダッシュが多くなる
最近、見違えるように仕事を早くこなし、キッチリ定時に終わるようにテキパキと処理をするようになった部下。
もしかしたら、その部下は定時後の面接に間に合わせる為に必死なだけかもしれません。
これは次点でマストです。特に今までダラダラ残業していた人が突然業務を早めに切り上げて、定時ダッシュすると要注意です。
中途面接はたいてい19時くらいスタートになります。18時定時である場合は、移動も含めると、そこまで時間的な余裕はありません。
つまり、定時ダッシュしないと面接に間に合わない可能性が出てきます。なので定時でダッシュするのです。
ただし、私の例ですが、自己啓発本などを読んで「残業しない!」と決意するケースもあります。その可能性も考えて慎重に、総合的に判断したほうがいいです。
服装や身だしなみが質素できれいになる
普段身だしなみにに無頓着だったが、最近はキチッとネクタイを締め、かばんと靴を磨いて出社している部下。
その人はもしかしたら今日、面接に行くのかもしれません。
まともな社会人であれば、面接での服装はデートに行くくらい気を遣います。特に髪型(白髪)や爪、靴を手入れしていたら要注意です。
ただし、彼氏・彼女が出来て、本当にデートに行くのかもしれません。そこは総合的に判断してください。
外出が増える(営業等)
最近やたらと既存の顧客に対して営業をかけるようになった。デスクを離れて現場を見て回るようになった。
もしかしたら顧客先や現場に行かず、面接を受けに行ってるのかも?
ある程度裁量に任される職の方にありがちです。
有給休暇を使いにくい場合は、何とかしてオフィス外に出なければなりませんが、その口実として業務を悪用します。
ただし、実際に現場に連絡をして確かめたり、突然本人に「顧客先の打ち合わせ記録」の提出を求めたりする場合は、慎重にしてください。
もしも転職活動などは一切していないのに「上司が私の行動を疑っている」と部下に思われたら、一気に心を閉ざしてしまうでしょう。
新しい仕事をやりたがらない
業務改善提案等を積極的にし、オフィス内でもリーダーのように他人を導いていた部下。最近、あまり表立って色々言わなくなって来た。
この前も新しい仕事を振ろうとしたら「わたしばかり仕事を振ってきませんか?○○さんにもお願いしたらいいと思います。」と断られた。
今までそんなことは無かったのに。機嫌が悪いのかな??
もしかしたら、その部下は転職を決意し、退職を視野に入れているかもしれません。
退職を3ヵ月後だとすると、まず4ヶ月以上かかる新規プロジェクトに手を挙げてきません。もしも強制的にプロジェクトに入れられそうになったら、強硬に反対するでしょう。
また、既存プロジェクトもだんだんとフェードアウトするように動きます。
それは「わたしが居なくなった後に、後任が担当するのだろうから、色々押し付けたらかわいそう」という部下なりの配慮から来ています。
ただし、単に不満が爆発している可能性も否定できませんので上司はどの道、部下に対して慎重なケアが必要ですね。
モチベーションが高くなる
一時は周りが「大丈夫?」と思うほど、愚痴も多く表情も暗かったのに、最近は愚痴もほぼなく表情も明るくなった。
もしかしたら、内定を取って今の会社に見切りを付けたので、気分がスッキリしているかもしれません。
つらい環境で終わりが見えないからこそ表情は暗くなります。一方でつらい環境でもゴールが目の前にあれば、とたんに気分は晴れるものです。
自分の業務の引継ぎを気にする
最近マニュアルを整備したり、書庫の整理を良くやっている。荒れ放題だったサーバ内のフォルダもきれいに整備され、PCの中にあったファイルは、美しくサーバー内に配置されている。
もしかしたらその部下は、引継ぎの時間を最小限にするべく準備をしているかもしれません。
転職者が上司に退職の意思を伝えた後に苦労するのが、引き留めです。引き留めを最小限度にとどめる為に「引継ぎの説明をしやすい状態に整えておく」というのは合理的です。
また、可能であれば転職活動をしながら部下や同僚にどんどん仕事を引継ぎをしようと画策します。これははたから見ると「最近同僚に仕事を押し付けてるな!」という風に見られ、仕事に対してのやる気が失せているように見えます。
いずれにしても個人のブラックボックス化した仕事がどんどんと明るみに出てきますので、ある社員の仕事がどんどん周りと共有されている!という傾向があれば要注意といえるかもしれません。
仕事中、私用電話で席をはずす事が多くなった
「家族が入院をした」「旅行を主催している」「妻とケンカしている」などなどの理由で、電話がかかってくるとすぐに席を外す部下。
もしかしたら、転職エージェントや応募先企業から最終面接の案内を受け取っているかもしれません。
転職エージェントや応募先企業の担当者は連絡については、現職に差し支えないように最大限の配慮はしますが、そうは言っても最終面接など重要なフェーズにおいては日中に電話をかけてくることもあります。
当然、すぐに出て対応する必要がありますので、業務中でも席を外すことになります。特に出た瞬間に小声になる場合は要注意です。
部下「はい、○○です。」
エージェント「○○様ですか?私転職エージェントの○○でございます」
部下「あ~、お世話になります。ちょっとそのままお待ちください」
と言いつつ、足早にフロアから消えていきます。
ただし、本当にプライベートでのゴタゴタによる、必要に駆られた連絡を強いられている可能性もありますので、疑うのでしたら絶対に部下に知られないように慎重に詮索してください。
部下を逐次見る事が欠かせない
以上、色々お伝えしておりますが、大切なのは部下を常日頃から観察することです。現業を持ちつつの転職活動は時間的に非常にタイトになりますので、転職活動者は必ず何らかのサインが出ます。
サインとは一言で言うと、今までと違う行動、つまり変化です。
上述の傾向はすべて変化を示しています。今まで有給休暇を使わなかった者が使うように変化した、などです。
部下をしっかり見ている上司であれば、部下の行動や態度になんとなく違和感を感じることでしょう。逆に、部下をしっかり見ていない上司である場合、違和感を感じることはないかもしれません。
つまり、部下を日ごろからしっかり見つめ、今までどうだったのか?が分からなければ、過去から見て現状はどのような変化を見せているのかが分かりません。
それなのに安易に「最近有給取得が増えている!」などと、その事実だけを捉えて早合点して、部下を疑う事だけは止めてください。「転職活動しているのか?」と部下を疑っていることがその部下に伝わった場合、本当に転職活動を促すことになりかねません。
※部下は上司が期待したとおりの行動をとりやすい
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