「組織の生産性をどうやって上げるか」は私の(というか全会社員?の)至上命題ですけど、職場の同僚と話していて「これは!」と思ったので共有します。
有給休暇を全取得させる
これです!法律では全取得を強制出来ませんので最大5日間は残りますが、それ以外を強制的に使わせます。たとえば20日間の有給休暇があった場合に、15日間を強制的に使わせて5日間を自由にします。そうすることで、ほとんどの社員は今以上に有給休暇をとらなくてはならなくなります。
有給休暇は6年目までは年々増えて行くので、あわせて休みも年々増えていきます。つまり、裏を返すと年々労働時間が減っていきます。仮に7年目を迎えてからも年々有給休暇の付与日数が増えて行けば、社歴が長ければ長いほど、どんどん労働時間が減って行くわけです。
そして、個人の年次目標の中に「今年は何日有給休暇を増やすか?」という項目を組み入れてはどうでしょうか。
従来、個人の年次目標って数字に表せなかったり、他の同僚との横比較が出来なかったりして、「仕事やってる風」に誤魔化す事も出来ちゃったりするわけですが、有給休暇の取得率は数字でバシッと出るし、全員の基準も揃っているので、他の同僚との横比較が可能です。
「仕事増えていません。しかし、休みも増えてません。けど給料はあがってます。」という人は生産性が落ちています。私たち社員や会社が目指す指すべき姿は「仕事減ってます。でも給料や売上は上がってます。そして休みも増えています。」ですね。
私の経験知ですが、だいたい内勤仕事の60%は「やらないよりはマシ」「何の役に立ってるかが曖昧」「いつか役に立つかも」程度の無駄な仕事をやってます。
なので「やらないとマジでヤバイ!」以外の仕事を削りまくってスリムになって、それに伴って休みが増加するのが正しい生産性の上げ方だと思います。
まずは、「誰・何の役に立ってるんだろ??」「いつか役に立つかも??」「出ないよりマシかなぁ~」と思われる仕事や会議をバンバンと削って行くのが正しいやり方です。
メリット盛りだくさん
この「有給休暇強制取得制度」のメリットはたくさんあります。
「無駄は悪」という意識が組織全体で強烈に形成
「とりあえず会議出て」とか「必要なときも出てくると思うから、とりあえず資料作っておいて」とか「めんどうだろうけどルールなのでやってください」などと部下に指示出しをしようものなら袋叩きにあうでしょう。上司はキチンと「なぜそれが必要なのか?」を示さないと、部下から激しく反感を買う恐ろしい状況です。
しかし、上司が安易に仕事を部下に振ってしまう組織では「やらないよりはマシ」な仕事は基本的に部下に流され、無駄が大量に生み出されてしまい、生産性が落ちます。
上司には、なぜその仕事をやるのかを部下に説明する責任と、説明出来ない仕事に対してはキッパリと捨てる覚悟とが必要です。
社員の休暇が増える
単純に社員が有給休暇を取れば休みが増えますよね。社員が休暇を増やしても、企業経営的に何か困ることあるんでしょうかね??
1988年に労働基準法が改正され、週48時間労働から40時間へと段階的に8時間も削減されましたが、1988年前後の日本のGDPに劇的な変化はありません。ガクッとGDPが下がっていれば「やっぱ働かなきゃ!」となるでしょうけど、実際は「あら?あんま変わらないやん」状態です。
ONIKUMA的には「現状でも週休4日にしても困らない人は結構居るんじゃない?」と思っています。だって、今10分掛かっている仕事を6分で仕上げれば楽々達成できるレベルです。マクロとかアウトソーシングとか駆使すれば余裕でしょ!と思います。
生産性向上の取組みが遅れている者があぶりだされる
これも良いです。チームに一人でも生産性の意識が低い人が居ると、本当に足を引っ張ってきます。それが上司なら最悪で、部下に意識が低い人が居てもその上司は大変です。
- 全ての仕事は重要であり、優先順位はない
- 全ての仕事は1ミリの妥協も許さない
- 自分の仕事にしか興味ない
- 1日の労働時間は9時~20時だ
- 定時で即退社している同僚が許せない
という人たちですね。はっきり言ってこういうメンバーがチームにうじゃうじゃ居ると、生産性がガタ落ちになります。生産性を高めるには逆にこう考えないといけません。
- 仕事は常に重要なものだけ行い、後はやらない
- チームの成果が第一であり、自分がいかにチームに貢献できるか考える
- 残業は自分と上司の、恥と無能の証と思っている
- 定時で即退社している同僚が居ると自分のやり方のまずさに焦る
「毎年休みを増やしなさい」と言われた場合に、前者のような考え方をしている生産性の低い社員は当然付いていけなくなります。そこで隠れて残業してしまうか、生産性の高い働き方にシフトするかの二択になります。
毎年休みを増やす事の意義を丁寧に説明をし、隠れ残業を徹底的に排除して逃げ場を潰せば、生産性の低い社員には相当なプレッシャーが掛かります。最終的には退職するか、生産性の高い働き方を自分で学ぶかの二択になります。
日本一休みの多い会社を作るのは比較的簡単
「日本一」と冠する(意味のある)もので1位を取るのはきわめて難しいです。
- 売り上げ日本一
- 利益率日本一
- 働きやすさ日本一
- 日本一のユーザー数
- 日本一の無災害記録
などなど。どれも大変な努力が必要ですし、努力したところで結実する事はほぼ皆無です。
しかし、「日本一休みが多い会社」は就業規則を変えるだけで一瞬で達成可能です。
日本一は無理でも、日本屈指の休みが多い会社は作ることは出来ます。もちろん、一部の社員だけ異様に休みが多く、他は馬車馬のように働いている状況は詐欺に等しいので、そういうのではなく、全社員平均で休みが多い会社を作る事は理論上は十分可能です。
過去に週48時間労働を40時間に変えたとき、労働時間は8時間圧縮されました。いわゆるこの「半ドン」を解消した事を考えると、実質2週間に1日休日が増えたことになります。つまり、1年が51週ですから、約25日の休日の増加です。
40時間労働になったとしてもGDPが増えこそすれ、減らなかった事実を考えると、別にあと25日休日を増やしてもあまり影響はないとは思えませんか??
つまり、今は年125日前後の休日で各社横並びの状況ですが、+25日の休日を付与すると150日の休日の会社になります。
これかなりのインパクトになりませんか?? 当然そのインパクトはSNSやメディアによって「日本一休みの多い会社」として好意的に拡散されることになります。
すると、好条件を期待して優秀な応募者が集めやすくなりますので、優秀層の採用も出来るでしょうし、社内の雰囲気もガラリと変わるでしょう。
いいことづくめなのに、なぜやらないの?
たとえば隔週で金曜日を休みにすればいいだけの事です。それだけで簡単に「日本一」です。売上日本一、従業員満足度日本一に比べると破格の達成しやすさですよね。
週の労働時間が48時間だった頃に「労働時間を40時間に縮めるなんて出来るわけがない!」と思っていた経営者は一杯いたはずです。
ですが、40時間になったところでさほど経済的な混乱はありませんでした。祝日も昔よりもだいぶ増えています。ですが、これまた経済的な混乱はありません。
ならば、今フルタイムの正社員の勤務時間を「週35時間勤務」とか設定しても、イケるんじゃない?と思います。
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