優秀な上司の条件

そろそろ部下を持つ立場に(やっと)なりそうなので、これを機に「部下から見て良い上司像」をまとめようと思います。

私は典型的な転職組であり、さまざまな上司の下で働いてきました。時には直属の上司として、時には直属の上司の上司として、10名程のあらゆる上司に仕えて来たわけですが、その上でこの上司は優秀だなと感じたエッセンスを抽出します。

あくまで「部下から見た」という注釈つきでありますので、「会社にとって」や「同僚として」は考えていませんが、部下にとって優秀に見える上司はたいてい組織にとっても代え難い優秀な社員である事は言うまでもありません。

部下の好き嫌いが不明

自分のことは好きなんだろうけど、他の部下を快く思ってない事を平気で言う上司は優秀とはいえません。しかし結構居ますね、これ。

また、他の部下を蔑むまでもないが、特に関心も無いという態度を取る上司も居ましたが、これもバツが悪かったです。自分だけ優遇されているなーなんて思ったりもしました。

両者とも私に部下としての自信を芽生えさせ、成果を挙げさせるには十分でしたが、チームとしての生産性を考えた時に良くなかったです。

実は、少なくとも嫌われてはいないが、好かれてもいないかもしれないと部下全員が思っているチームというのが一番生産性が高く仕事が出来るような気がします。

つまり、部下全員が飲み会で「で、あの上司は誰が好きなの?嫌いなの?」と疑問符を付ける様な上司ですね。

「上司が誰を好きか?嫌いか?」は部下にとって人間関係上の最大の関心事だったりします。上司が嫌いな部下を分かりやすく示してしまうと、あら不思議、同僚もその人を嫌いになっていきます。

逆に誰が好きかを示した場合にも、周りの部下はその人に嫉妬し、距離を置くことになります。

ですので、上司は誰が好きなのか、嫌いなのかをハッキリと示さないように心がけるべきだと思います。

そうして、結果的に、この上司の元には誰からも偏り無く情報が集まり、誰でも相談もしやすい環境を構築していたような気がします。

なお、全員が嫌い!とか全員好き!という上司は今のところ会った事がありません。それは、実際そういう人間はほとんどいないということでしょう。

年も立場も経験も性別も違う集団で、全員とウマが合う!とか、全員とウマが合わない!なんて上司が居たら余程の大人物だと思います。

あ、関係ないかもしれませんが、好き嫌いを表さないその上司は部下が男性であろうと女性であろうと公平でした。

変に女性を甘やかすことも無く、男性に対してだけ意見を求めるわけでもなく、性別を抜きに一人の社員として平等に扱っていました。※役職は考慮していました

女性だけに丁寧な口調で、男性には乱暴な口調で接する上司が結構居ますが、そういった上司はなかなか尊敬できません。

部下は監視せず受け付ける

部下に嫌われようと思ったら簡単です。ホウレンソウを強要すればいいです。

私が上司との係わりの中で一番苦痛だったのは、毎日私が何をやっているのかホウレンソウを求められることでした。

もちろん私のやり方や考え方の未熟さから来る事だとは分かっていましたが、それにしても「逐次報告!」は相当堪えました。

これは部下が上司から監視されている状況です。

「お前は何をやるか信用できんから見させてもらうぞ!」というメッセージを毎日受け取っていたような状況です。

そしてそのやり方で結果が出たかと言えば、却って結果が悪くなっていきました。

なぜならホウレンソウする上で上司からダメだしを受けまくるので、やがて「上司に怒られないようにする為にはどうしたらよいか」を考えながら仕事を進めていたからですね。

部下は上司から監視されると、不快感や恐れを覚えるだけではなく、怒られないように・ミスしないようにが第一義に来てしまい、いかに価値を生んでいくかに対して意識が薄れます。

具体的には、上司に見せる資料と出来ない事への言い訳にとてつもない時間と労力を掛け完璧な部分だけを見せようとします。一方で、価値の高い重要な仕事については不完全である事が多いため、なるべく手をつけず隠そうとすらしました。

これでは成果も成長も期待できません。

逆に結果を出せる状況では、上司はホウレンソウを受け付けるという態度でした。ホウレンソウをした方が良いと思うのか、それともしなくても良いと思うのか、それは部下が権利として選択するようでした。

そうなると、どのような悩みを相談するべきか?連絡するべきタイミングはいつか?報告するべき事項は何か?という肌感覚がかなり磨かれていきます。

仕事は完遂させなければなりませんから、どの時点で上司の力を借りるのか?どの程度借りるのか?を自分で組み立てなければなりません。この力がメキメキつきます。

この肌感覚が磨かれていない人は、無駄に上司にホウレンソウする人材になり、チーム全体の生産性を大きく下げます。

おかげさまで私は上司に対して「おはようございます」「お先に失礼します」以外に言わない日もあるほど自立して働き、きちんと成果を挙げられるようになりました。

それも上司がホウレンソウを受け付けるという態度で接して頂いたからこそだと感じます。

プライベートを開示している

よく出来た上司の一人に情報開示を積極的にする人が居ました。その上司がどこに誰と住んでいて、どのように生活をしているか分かるのです。そして、ペットの名前や家族の病歴まで教えて頂けました。

それらは部下への信頼の証であり、上司から部下に対しての歩み寄りとも取れます。

逆に部下に「彼女居るの?」と情報開示を求めてくる上司も居ましたが、それは最悪です。

部下は上司に対して親近感を覚えたならば、必ず情報開示をして上司に歩み寄りますので、上司は部下からのそのサインを待ちましょう。
※サインは必ず出してきます

なお、仕事に親近感は不要だ!と考える上司の下でも働いたことがありますが、それは全くの間違いであると断言できます。なぜならば、親近感が無ければ部下は必要以上に上司を畏れるからです。

上司を畏れるとは「あの上司、何を考えているかわからない。怖い。」という状況です。この状況はデメリットが大きすぎます。

  • まず、部下からのホウレンソウが途絶えます
  • 次に、部下から上司の間違いを指摘してもらえなくなります
  • そして、部下の創造力を阻害します

例えるなら、鞭を携えた使役者と奴隷を考えてください。

まず奴隷は不必要に鞭を打たれないようにコミュニケーションを避けることでしょう。そしてなるべく目立たないように振舞うためチャレンジしなくなります。そして使役者の顔色を常に伺い、使役者の好みに沿う態度を取るようになります。

石を積む奴隷ならば成果を挙げられるかもしれませんが、答えのない問題にチームとして取り組む時に、コミュニケーションやクリエイティビティを阻害する事は致命的な問題です。

きちんと叱る

よく出来る上司は決して怒鳴りません。

声を荒げたり、物に当たったり、手を出してくる上司は全く尊敬できません。なぜなら、立場が強い状況で相手が反論しにくい状況で感情をぶつけているからです。

私が殺人の前科持ちで、プロレスラー並みの体格と反社会的な雰囲気を備えていても、なお怒鳴ってくる人は尊敬しますけど(笑)人を怒鳴っちゃう人は相手が反撃してこないと分かってるからこそ怒鳴れるわけです。

また、感情的になる事はIQ(知能指数)を著しく下げます。つまり、言葉が喋れないサルにどんどん近づいていくということです。優秀な上司は、感情的になる = IQが下がるという事が良くわかっているため、職場では滅多な事では感情的になりません。

その一方で、同時に、優秀な上司は怒っている事は隠さずきちんと伝えてきます。

その違い、分かりますかね??

前者は自分の感情が根底にあります。一方で後者はわたしの成長や会社の秩序などが根底にあります。

「お前なにやってるんだー!!!このハゲー!!」と机をたたくのが前者です。
「はっきり言いますが、私は怒ってますよ」と静かに語るのが後者です。

「私に謝りなさい!」と暗に伝えるのが前者です。
「私を怒らせたという事実を認識し、次の反省につなげなさい」と暗に伝えるのが後者です。

ですので、優秀な上司に対しては安易な謝罪は逆効果になる場合があります。

実際に私がミスして迷惑をかけた上司に「すみませんでした、ご迷惑おかけいたしました」と謝ったとき、「なぜ謝るの?君は何か悪い事したの?」と聞かれ、冷や汗をかいたことがあります。

つまりは上司は謝罪の言葉を聞きたいのではなく、私がなぜミスをしたのかを分析し、それをどのように次につなげるのかを聞きたかったのでしょう。今となっては分かります。

優秀な上司は優しくなかった

総じて思うのは、優秀だ、尊敬できる、という上司はたいてい優しくありませんでした。どちらかと言えば厳しかったです。

かといって、非合理な厳しさはありませんでしたので、泣くほど凹まされる事を言われても「わたしの成長を願っている」という想いがしっかりと伝わってきて、素直に受け入れられました。

そういう上司になりたいですね!

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